トラブル解決するための手段

ODR とは何か?

• インターネットのサイバースペースなどで起こるトラブルを交渉、調停、または仲裁 などの方法によるオンライン上での解決。Online Dispute Resolutionの略語。

• E-メール、チャット、TV会議などのオンラインコミュニケーションを駆使して、現実社会で起きるトラブルや 紛争のオンライン上での解決。

• オンラインや現実の問題の、オンラインを使っての防止。

• ODRのメリットは、オンラインを駆使することで、解決にかかるコストや時間が節約できること、国境を越えた紛争や現代の多様化した問題への対応が可能になること。

ODRのアプローチ

ODRの役割は、「問題解決」です。では、具体的にはどのようなアプローチでもめごとなどを解決していくのか、 簡単に説明していきます。英語の意味を基礎としますので、日本で使用されている意味と少々ずれが生じることもあるかもしれません。 ODRのアプローチは、裁判官以外の中立的な第3者を介することによって、 話し合いをスムーズに運び、当事者たちのかけ離れた見解を近づけ、解決に導くという方法です。ここで重要な点は、関係当事者双方が賛成 でないとODRは行なえないということです。

ODRはオンラインで解決を図るものですので、ADRに比べ、テレビ会議などを使用しなければ、相手の顔を見て交渉すること はありません。また、ディスカッションボードなどを使用する場合は、時差のあるコミュニケーションともなりえます。トラブルによっては、 この方が、当事者たちに考える余裕を与えるという利点もあります。 すべてのトラブルが直接会って解決することにむいているわけではありません。当事者たちによっては、顔を合わせると感情のこじれなどから、 精神的にダメージを受ける場合もあります。しかし、どのもめごとにでもODRが向いているとはかぎりません。暴力を伴っている問題、犯罪に 結び付いたもの、そして、子供らの人身売買などは法的権力を行使できる組織に委ねなければなりません。

最近では、ODRの専門家を免許方式でつくろうとする動きもありますが、現時点では、まだ、プロフェッショナルとしての国際的基準もなく、 統一的なやり方が出来上がっていません。試行錯誤の時間もないまま免許を制度化することは、免許の価値よりも免許を持っていることに重点を おく危険を伴います。信用のおける専門家を探す上でいずれは、基準が必要となってきます。 しかし、この仕事が、文化的、人種的、言語的違いなどの広い知識と理解だけでなく、人間的な理性、感性、さらに、人のために陰で働くという 奉仕の精神を踏まえたものが必要なため、一過性の免許制度には適合しない面があります。

• 交渉 (Negotiation・Facilitation):


「交渉」または、「ネゴ」は、自分の希望通りの結果を得るために、相手を説得していく過程を指しています。いつでも、 どこでも、人間は交渉を行っていると言っても過言ではないでしょう。子供が外出許可を得るために、親にいろいろ理由を挙げて交渉する ことから始まり、はては、車のディーラーで値切るのも、交渉です。西欧と日本の交渉術は、大きく異なるといわれており、「根回し」 などもその一例でしょう。

問題の当事者どうしで話し合っていると、つい感情的になってしまったり、または、力関係が不均衡なあまり、うまく交渉が 進まないこともままあります。そのような時に、間に人間もしくは、コンピュータを介在させて話を進めていく方法です。Ebayの売り手と買い手 間の争いごとをオンラインで解消して大きくなったSquareTradeは、コンピュータのプログラムで当事者同士に最初ネゴをさせ、 望ましい結果が出ない場合には人間を介在させる選択肢も与えています。ただ、交渉は、法的に拘束力のある解決を得るものではありません。

•  調停(Mediation):


調停は、第三者の介在が入った交渉と考えることができます。カリフォルニア大学、バークレー校哲学科のドレフィス教授によると、 メディエーションという言葉は古くから哲学的に使われてきた言葉だそうです。19世紀のデンマークの思想家、キルケゴールは、 人間の精神的成長には、「メディエーション」が必要と述べました。この意味は、子供のように、深く物事を考えず、反射的に反応して生きて いくだけでは、大人になることはできず、 絶えず自分の行動や状況を批判しつつ反省することで人間は熟成するということです。つまり、調停を行う専門家とは、相手の言動や 態度に過剰に反応しやすい当事者たちに、過去を振り返って反省し、新しい視点で問題を捉えるように持っていく人々のことを指します。 このため、セラピストの手腕も必要です。さらに、すべての当事者が満足できる結果を求めていきますので、決して簡単で単純な仕事ではなく、 技術、経験、知識、手腕が必要です。これらをオンラインで行うことは、さらなるテクニックが必要です。

藤沢周平の「よろずや平四郎活人剣」というシリーズがありますが、これは、よろずもめごと、けんか、口論、取り戻し物を 扱う浪人の話です。ただ、これが、欧米の「メディエーション」と異なる点は、浪人が時々どちらかの肩を持ってしまうことでしょう。 あくまでも調停者は中立であるのが鉄則です。

メディエーションでは、法的根拠は無用とされ、解決にたどりつく過程は秘密保持されます。ですから、どのようなやり取りで結果 を得るのかは、全て当事者に委ねられます。極端に言えば、犯罪、暴力など力の無いものに危険が及ぶ場合以外、当事者どうしが納得し あえればそれでよしとされます。

• 仲裁 (Arbitration):


仲裁と訳されているアービトレーションは、調停などよりも法的拘束力があります。中立な人間である調停者に双方の 証拠などを差し出して自分の立場を主張し、どちらが正しいかを判断してもらいます。最終的には、仲裁者に判断を委ねるので、 訴訟と類似していますが、違いは、訴訟のように慣例や判例に左右されず、また、仲裁者は裁定の理由を裁判官のように述べる必要もありません。 また、調停同様、解決にたどりつく過程は秘密保持されるので、判例に反映しません。そのため、重要な前例や判例となるケースはアービト レーションには向いていないといえます。

米国などでは、訴訟数を減らすために医者、病院、保険会社、やカード会社などの契約書には、 仲裁での解決を決めた強制項目が入っています。この契約書に同意しないと、医者にみてもらったり、保険をかけたり出来ないという意味で 大変強制的であり、契約書としては一方的なものです。仲裁者は当事者たちが選ぶため、その選択段階で調停者の中立性に疑問を抱かれること が多くなったと批判されています。

• その他

調停で解決できなかった時に、その調停者が仲裁者になって裁定するというMed-Arbという方法や、専門家との協議会、ミニトライアルなど米国には他にもさまざまなアプローチがありますが、上記のものが基本です。

Copyright (C) 2008 MO_Research.com. All Rights Reserved.

サイト内リンク